Web制作の現場では、文字を太字にするためにHTMLの<strong>
タグや<b>
タグが使われますが、この2つには明確な違いがあります。
見た目が似ているため混同しがちですが、使い分けを正しく理解することは、アクセシビリティやSEO対策にも大きな影響を与えます。
この記事では、<strong>
と<b>
の意味・使い方の違いをわかりやすく解説し、実際の使用例も交えて紹介します。
<strong>タグの意味と使い方
意味
<strong>
は、「重要な強調」を意味するセマンティックタグです。このタグで囲まれたテキストは、単なる装飾ではなく、「内容的に重要であること」を示します。
特徴
- 意味:文脈的に重要な語句
- 表示:デフォルトで太字
- 音声ブラウザでは、強調して読み上げられることがある
- SEOにおいてキーワードの重要性を伝える効果が期待できる
使用例
<p>ご注文内容に間違いがある場合は、<strong>すぐにご連絡ください。</strong></p>
この場合、「すぐにご連絡ください」が重要なアクションであることを示しており、意味的な強調になります。
<b>タグの意味と使い方
意味
<b>
は、視覚的な強調を行うためのタグです。テキストを太字にするだけで、特に「意味的な重要性」は持ちません。
特徴
- 意味:装飾的な太字
- 表示:デフォルトで太字
- スクリーンリーダーは特に強調せず読み上げる
- SEOには基本的に影響しない
使用例
<p>重要語句は<b>太字</b>で記載されています。</p>
単に太字として強調したい場合に使用。意味的な重要性があるわけではありません。
<strong>と<b>の違いを表で比較
特徴 | <strong> | <b> |
---|---|---|
目的 | 意味的な強調(重要性) | 視覚的な強調(装飾) |
表示 | 太字 | 太字 |
スクリーンリーダー対応 | 強調して読み上げる場合がある | 通常の読み上げ |
SEO効果 | 多少あり | ほぼなし |
使用例 | 警告文、重要なアクションの提示 | 見出し内の単語装飾など |
どちらを使うべき?用途別のおすすめ
<strong>
を使うべき場合
- アクセシビリティやSEOを意識する場合
- 「意味的に重要」な語句やフレーズを強調する必要があるとき
- ボタンや注意喚起などで行動を促すとき
<b>
を使うべき場合
- デザイン的な装飾のみが目的のとき
- 意味を強調する意図がない単なるビジュアル上の強調
まとめ
HTMLの<strong>
と<b>
はどちらも太字になりますが、その目的と意味には大きな違いがあります。見た目だけで選ぶのではなく、「なぜ強調したいのか?」を考えて使い分けることが大切です。
適切にタグを使い分けることで、SEO対策としての効果や、スクリーンリーダー利用者にとってのアクセシビリティ向上にもつながります。Web制作者としてのスキルアップのためにも、正しい使い方を習得しておきましょう。